AIに聞く前に、ひとつだけ考えてほしいこと
AIに聞く前に、ひとつだけ考えてほしいこと
これからAIは、ますます身近なものになっていきます。
わからないことがあればAIに聞く。
そんな時代が、もう始まっています。
とても便利です。
でも、少しだけ気をつけてほしいことがあります。
それは、健康や医療の情報をAIで調べるときです。
AIはたくさんの答えを出してくれます。
けれど、その答えは質問の仕方によって変わってしまうことがあります。
例えばこんな質問です。
「五十肩だと思うんだけど、鍼って五十肩に効くの?」
きっとAIは、いろいろな情報を教えてくれるでしょう。
しかし、この質問には
大きな落とし穴が二つあります。
本当にそれは五十肩ですか?
肩が痛いとき、実際に五十肩である可能性は
半分以下とも言われています。
半分は当たる。
でも半分は違う。
それでは、あまり当てにはなりません。
五十肩とは、肩関節の中で炎症が起こり、
関節の滑りが悪くなっている状態をいいます。
そして筋肉や靱帯などに損傷が認められない場合に
肩関節周囲炎(通称:五十肩)という診断がつきます。
こうした判断は、医師の診察や検査、
あるいは私たち鍼灸師が行う鑑別によって類推されるものです。
症状だけで自分で判断するのは、実はとても難しいことです。
つまり、スタートの時点で聞き方を間違えると、
答えも違う方向へ進んでしまうということです。
その情報、本当に正しいですか?
もうひとつの問題があります。
たくさんの情報の中から、正しいものを選べますか?
インターネットの世界には、
-
正しい医療情報
-
不確かな情報
-
医療とは言えない内容
など、さまざまな情報が混ざっています。
その見分けは、思っている以上に難しいものです。
例えば、ぎっくり腰。
「ぎっくり腰になったからストレッチしなきゃ」
そんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。
しかし実際には、
ストレッチは予防を目的として行うことが多く、
ぎっくり腰の直後に行うと
悪化したり、回復が遅れることも知られています。
もちろん例外もあります。
デスクワークなどで長時間動かないことで
腰が固まってしまった場合などです。
この違いは、炎症があるかどうかです。
では、その炎症があるかどうかを
自分で見分けることはできるでしょうか。
AIは答えをくれる。でも…
AIはとても優秀です。
これからもどんどん進化していくでしょう。
いつか、人間の知識を
大きく上回る日が来るかもしれません。
それでも、人間に残されているものがあります。
それは、考えることです。
便利な時代だからこそ、
答えを急がないこと。
情報をそのまま受け取るのではなく、
「本当にそうだろうか」と
一度立ち止まってみること。
AIは答えをくれます。
でも、問いをつくるのは人間です。
問い方ひとつで、
見える世界は大きく変わります。
だからこそ――
AIに聞く前に、少しだけ考えてみてください。
その問いは、本当に正しい問いでしょうか。
AIから正しいとされる情報を得るのは「正しい問い」からしか生れません。