恩師

2025.10.16

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恩師

私には、ただ一人だけ「師匠」と呼べる存在がいます。

右も左もわからない私に、比較的偏りの少ない知識や考え方を授けてくれた人です。
その代表的な言葉が——

「ヒトの身体を診るのに、西洋医学も東洋医学も関係ない」

もちろん、現実には関係があります。
医師には医師の、鍼灸師には鍼灸師の役割がある。
得意な分野もあれば、不得意な分野もある。
けれど、もしお互いが補い合えたら、患者さんにとってこれほど心強いことはない——そういう理想を語ってくれました。

 

当院に来られた方の中には、よく驚かれる方がいます。
「これまでは全部『鍼灸で治してみせる』と言われてきたのに、ここ(当院)では『この症状は病院を頼った方がいい』 『これは○○先生を受診してください』なんて言われるからビックリした」と。

でも、それこそが進む道なのかなと私は思っています。

 

先を見ている医師たちは、自分たちの長所と短所をきちんと理解されています。
鍼灸師もそうでなくてはいけません。

だから私は、できないことは「できない」と明言します。
わからないことは「わからない」とはっきり言います。

 

「何でも治せる」——
その言葉を本気で信じている治療家は少ないと思いますが、患者さんに誤解を与える表現は避けたいものです。

恩師に学んだのは、技術だけではありません。
患者さんに正直であること。
その姿勢こそ、私の治療の根っこになっています。

 

 

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